Crossmark®(クロスマーク)とは?【CrossMarkの概要】
- Crossmark®(クロスマーク)とは、Crossrefが提供しているWeb上で閲覧できる論文等に「Crossmark®」のロゴマークを付与(表示)し、それをクリックすることで論文の更新状況(改版履歴)を確認することができるWEBベースのサービスです。
- Crossmark®はCrossRefによって2012年4月に正式にサービスの開始がされ、国外の出版会社Oxford University Press社,Royal Society社,Wiley社,Elsevier社の4社でまず試験的に運用が開始されました。現在では50以上の団体が参加し、約40,000の記事でマークが採用され、世界中に広まりつつあるサービスです(2014年12月現在)。
- Crossmark®が付与(表示)されているWEBサイトではロゴマークをクリックすることで閲覧者は論文の更新(改版)状態を無料で確認することができます。
Crossmark®が登場した背景
例えば、学術論文等が出版された後、訂正や撤回が行われ、そのあとに、新版(修正後の論文)があったとしても論文の読者が気付かずに旧版(修正前の論文)を利用・引用し続けるということがあります。この問題を解決するために、Crossmark®(クロスマーク)が提供されるようになりました。
学術論文の訂正や撤回は,比較的軽微なもの(スペルミス等)の他に、根幹にかかわるような重要な数値の間違いや不正行為によるものなど様々ございます。もし、そのような重大な誤りの修正に気付かずに、後続の研究で旧版(修正前の論文)を引用された場合は、深刻な影響をもたらす可能性があります。
このような改版情報は、これまでも論文が掲載されている各出版社・機関でのWEBサイト上で表示されていました。しかし記載方法が統一されていないため、読者が見落とす可能性もあり、このようなサービスが提供されるようになりました。
Crossmark®のマークを付与(表示)できる文書
Crossmark®に参加した出版社や機関は、Webサイト上で以下の学術コンテンツ(PDF・HTML)にロゴマークを付与することができます:
・学術雑誌の記事
・書籍(または書籍の章など一部分でも可)
・大会予稿集
・報告書
・学位論文
※ただし、すでにCrossRefよりDOIが付与されてないとCrossmark®は付与(表示)できません。また、Crossmark®は出版されたもののバージョン(改版)にのみ付与されるため、著者のプレプリント等には付与されません。
CrossMark®で表示される情報とは
CrossMark®のロゴをクリックすると、ポップアップで以下の情報がタブで表示されます:
- その記事の更新状況【ステータス タブ(STATUS)】: 今見ている記事が最新か、それとも他に最新版があるかの表示
- その出版情報【レコード タブ(RECORD)】: 雑誌名、記事種別、著作権、査読の有無、利益相反、受理日等
■参考:Crossmark®表示例
Crossmark®のロゴをクリックして表示される情報がどのよう情報かを紹介します:
閲覧している論文等について
タブの種類 表示例 更新情報
【ステータスタブ】出版情報
【レコードタブ】最新版あるいは一度も改変されてない場合 出版情報がある 「この記事が最新です」のメッセージが表示される 雑誌名、記事種別、著作権などの出版情報が表示される PDF,
HTML出版情報・FundRefの情報がある 雑誌名、記事種別、著作権などの出版情報が表示され、さらにFundRefによる助成に関する情報等が表示される ※ 出版情報がない 出版情報【レコードタブ】が表示されない HTML 他に最新版がある場合 出版情報がある 「この記事の最新版が読めます」のメッセージが表示され、閲覧している記事よりも新しい版のDOIが表示される 雑誌名、記事種別、著作権などの出版情報が表示される HTML 出版情報・査読情報がある 雑誌名、記事種別、著作権などの出版情報が表示され、さらに査読者からのコメントなどの査読情報が表示される。 HTML
参考
・Crossmark®:https://www.crossref.org/services/crossmark/
CrossMark®は、米国CrossRefの米国及びその他の国における登録商標です。