学術情報を発信するニュースレター J×J Supporters

「J×J supporters Newsletter」はレタープレス株式会社が発行する「学術情報」発信に関するNewsletterです。

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[No.5]
(2015年3月10日発行)


CrossCheckとは?- Academic Information -

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CrossCheckの結果のイメージ

今回は学術情報流通に関する様々なサービスを提供しているCrossrefのサービスの一つであるCrossCheck(クロスチェック)のサービスについてご紹介させていただきます。

CrossCheckとはCrossref が2008年6月からサービスを開始した論文の剽窃検出サービスです。
このCrossCheck のサービスとはiParadigms(アイパラダイムス社)が提供している剽窃検知ツール「iThenticate」(アイセンティケイト)のシステムやデータベースを使用し、研究成果や著作物の内容を、すでにWeb上に公開されている情報(フルテキストデータベース)と照合し、論文等の引用が適切かを検証できるツールです。

CrossCheck(iThenticate)は2015年1月現在4,200万の学術論文、書籍、会議の議事録、9,300万の雑誌、定期刊行物、雑誌など、また520億のWebページを照合することが可能です。

■CrossCheckが提供する主なサービスと留意点

論文をこのCrossCheckツールにかけると、データベースやWeb上の文書とテキストパターンマッチングを行い、類似率が比較的高い文書についてのレポートが表示されます。ただしこのCrossCheckを使うことで論文の剽窃などの不正が正確にわかるのではありません。
ツールから返ってくるレポートの結果を判断しながら剽窃の可能性などを人が判断する必要があります。

例えば、基本的な基礎研究の実験手順などでは、多くの論文に類似性が見られるため、一概に剽窃とは言えません。このツールは返ってきたレポートを確認しながら、本当に剽窃や盗用なのか否かなどを「判断する力」が非常に重要となります。

■参考(参照:2015.2.28)

電子投稿から出版までを円滑に。ご相談ください!!

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セミナー参加でのお役立ち情報 - Supporter's Activity -

学術XML推進協議会様 主催 XML入門セミナー

今回は、弊社も参加しております学術XML推進協議会様主催のXML入門セミナーに講師として参加させて頂きました。XML入門セミナーと言うことで、全文XMLの導入を後押しさせて頂くべく、学協会様へ向けた「全文XML化をするメリット、しないデメリット」の解説と、制作会社様へ向けた「全文XML制作フロー・制作時間短縮術」について解説させて頂きました。

【 全文XML化をするメリット、しないデメリット】

  • 全文XMLでの公開は、書誌XMLでの公開より論文が読まれやすい!?
  • 自動組版による発行期間の短縮を実現!?
  • HTMLでの閲覧とリンク付けで付加価値のあるデータになる!?
  • HTML公開で、日本語論文を簡単に英語翻訳!?

…このような内容でメリット・デメリットを解説し、今後の論文データは、コンピュータ上で読まれやすい事が肝要!検索しやすく、他のデータとの連携に強い、全文XMLの導入をご検討下さい。ということをお伝えしました。
【全文XML制作フロー・制作時間短縮術】

全文XML作成に掛かる時間は、書誌XML制作の時間短縮で作る!

…弊社の制作フローや時間短縮ツールを紹介し、実際に掛かる費用は誰も肩代わり出来ない、全文XML制作の導入前にも導入後にも、作業時間の短縮をして、費用対効果を高められることをお伝えしました。
このような内容は、普段からお客様へご提案させて頂いているのですが、改めて講演用の資料として要約する事や、不特定多数の方へご説明させて頂くという点において、分かりやすいご説明と言うのがいかに難しいかを痛感し、大変良い勉強をさせて頂きました。
講演後に御質問頂いた内容等を含め、改めて内容を精査し、今後は編集委員会・理事会等でのご案内する際の、説明力向上に努めたいと思います。
 

英文・和文XML制作も当社にお任せください!!

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相談解決事例 - Supporter's Skill -

今回のご相談 : 電子ジャーナルのアーカイブ事業一部終了に伴う移行

今回は、最近お問い合わせを多く頂いております、国立情報学研究所のNII-ELSサービス終了に伴う、アーカイブの移行及び、電子ジャーナル化の方法について、ご報告させて頂きます。

今回お問い合わせを頂きましたお客様は、現状NII-ELSの搭載からCiNIIでの課金制公開を利用していらっしゃいました。しかしNII-ELSの終了アナウンスを受け、アーカイブ分の課金制の保持及び、カレント分の公開場所について再検討されておられました。

弊社からはJ-STAGEへの移行を提案させて頂きました。本日は、そのご提案内容について、詳細にご案内させて頂きます。

J-STAGE公開の提案

これまでは冊子を送るだけで費用の負担無く、電子化・アーカイブ化が出来ていましたが、これからはデータ作成費もしくは、データ作成作業負担が発生してしまいます。しかし、電子ジャーナルのプラットフォームとして認知の高くなったJ-STAGEでは、潜在的な読者を呼び起こす可能性もあり、国際情報発信力の強化にも繋がります。そのため弊社ではJ-STAGEをお勧めいたしました。

費用の負担となるとネガティブになりがちですが、国際情報発信力の強化というポジティブな要素もございますので、ぜひ学会・協会様にもご検討頂き、弊社からも引き続きご提案してまいります。

過去号の電子アーカイブもご相談ください!!

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学術と共に歩んだ120年。レタープレス株式会社の歴史物語 No.5 ―大学印刷からレタープレスへ―

永きに亘り、当社の要となっていた「活版印刷」を全廃――。

今後を見据え、「オフセット化」を進めていく達夫であったが時はすでに大競争時代。
「活版印刷」という武器を失った当社は受注も見る見るうちに減っていった。新しい設備投資と受注減、新しい技術に対応できる社員の養成など、まさに一番苦しい時期だった。

今まで「活版印刷」の技術を武器に大学より学術論文集や紀要などの「学術印刷」を主に受注していたが、達夫は一般商業印刷にも視野を向けはじめた。一般商業印刷に対応するため社内に「デザイン部」を立ち上げる等体制を整えた。
営業には今まで未開拓分野である一般企業・団体の営業活動を指示した。

今まさに社を挙げて「奮闘努力」する時だった。

達夫をはじめとする全従業員の地道な努力が実り、大手企業の労働組合や医師会等のクライアントが増え、ついには学術印刷の受注の減少をカバーできるほどになっていた。

大学関連の案件だけでなく広く一般の案件も手がけるようになり、平成10年、社名を「大学印刷株式会社」からデジタル時代に備え、また変革の願いを込め「レタープレス株式会社」と改称した。

苦しい時期を何とか乗り切った達夫だったがまだ油断をしていなかった。延びている「一般商業印刷」はともかく減少一方の「学術印刷」がやはり気がかりだった。

そんな中、学術論文の世界にも一つの変化が見え始めた。
平成10年、文科省が中心となり電子ジャーナルの無料公開システム「J-STAGE」がスタートされた。
当時はまだインターネットも出始めの頃で書籍の電子化等はまだまだ普及していない時代だったが、学術界は一歩先を進んでいた――。

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新米 サポーターより - 編集後記 -

編集後記

今回はCrossCheck についてお届けしました。
CrossCheck は、明らかな不正を見つけるというより、データベース内にある過去の文章と重複部分があるかを警告します。そのため、誰が書いても同じだろうと思われがちな手順などの文章や、著者自身の過去の文章でも警告が出ます。CrossCheck を使うことで、不正だけでなく執筆する際のマナー違反になっていないかを確かめる機会が得られるのでは、と思いました。

さて、この「JJSニュースレター」は創業123 年というキリの良い(?) 年に発刊を開始し、今年2 年目を迎えました。記事を作成する時に色々な文献を参考にさせて頂きますが、今後も執筆マナーを守って役立つ内容をお伝えしてまいります。