学術情報を発信するニュースレター J×J Supporters

「J×J supporters Newsletter」はレタープレス株式会社が発行する「学術情報」発信に関するNewsletterです。

[No.13]
(2017年3月31日発行)

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DOAJとは?- Academic Information -

以前のJ×J Supportersニュースレター(8号)で「オープンアクセスメガジャーナル」についてご紹介しましたが、今号では世界中の多くの査読済みのオープンアクセスを採用している学術雑誌や、定期刊行物および各記事のメタデータを索引付けしているサービス『DOAJ』についてご紹介します。DOAJ(Directory of Open Access Journals)https://doaj.org/とは、スウェーデンのルンド大学で2003年に開設されたサービスです。
DOAJでは査読を行い、なおかつ一定のオープンアクセス指針に則った、雑誌および各記事のメタデータを検索、索引付けしています。2017年1月現在では、農業、図書館学、情報資源、教育、アート、地理、人類学、歴史、言語、文学、法律、医学、軍事科学、音楽、哲学、心理学、宗教、政治学、社会科学、技術科学、工学、人文科学などの多くの分野をカバーしながら9,000以上のオープンアクセスジャーナルのメタ情報が掲載されています。

DOAJ登載のイメージ図|JJSニュースレター13

DOAJに掲載するためには、一定以上の編集品質を保つことが必須であり、申請も詳細(編集委員会URLや、レビュープロセスなど)を記載することが求められております。またデータ情報を登録するには、DOAJ仕様のデータ形式や、XMLなどを含めたデータを登録をすることも求められているようです。
多くのハードルもあるようですが、英語以外で書かれた雑誌も扱っていますので、DOAJへの索引付けを検討してみてもよいかもしれません。

参考(2017.3.31参照)
https://doaj.org/
https://doaj.org/faq
http://scholarworks.sjsu.edu/slissrj/vol6/iss1/4/

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- Supporter's Activity -

J-STAGEセミナー「貴誌の国際発信力強化・インパクト向上を支援します~J-STAGE誌の実践事例紹介~」

J-STAGEセミナー「貴誌の国際発信力強化・インパクト向上を支援します~J-STAGE誌の実践事例紹介~」に参加してまいりました。

インパクト向上支援について

インパクトファクターを提供しているクラリベートアナリティクス(旧トムソン・ロイター)社、J-STAGEより国際発信力強化の施策、サービスやツールをご紹介いただきました。

・クラリベートアナリティクス社
海外投稿者・読者数を増やす具体的な施策等のご紹介
・J-STAGE
2017年度より本格稼働予定の新画面機能について、各誌で国際発信力強化に向けたカスタマイズが可能となるとのご説明

事例紹介

実践実例紹介では、日本分析化学会様発行『Analytical Sciences(Anal Sci)』と日本遺伝学会様発行『Genes & Genetic Systems(GGS)』の取り組みをご紹介いただきました。
Anal Sci 誌とGGS誌はどちらも、海外から編集委員や顧問を招請して情報を取得する等、国際発信を強く意識して活動されています。

Anal Sci 誌ではインパクトファクターの数値目標を明確に掲げ、質の高い投稿の増加を狙った依頼やプロモーションが行われたことを紹介いただきました。
GGS誌では、JSPS科研費補助金を利用した5カ年計画に対し、着実に成果を上げていることが報告されました。また、英文校閲に時間がかかるという課題を、早期公開で解決しているとのことでした。

今回の2誌の事例では、目標達成のために施策を着実に遂行なさると同時に、様々なサービス・ツールを使いこなしていらっしゃることがうかがえました。
弊社もこれまでの経験や新しいサービス・ツールの習得を通じて、学会誌の国際発信力強化の一端を担えるよう努めてまいります。

※GGS誌はJ-STAGEで国内で初めて全文XML公開され、弊社が掲載を担当いたしました。
(2012 年 7 月 23 日)【日本初】-国際標準 XML での J-STAGE 全文搭載開始についてのお知らせ

論文の早期公開についてもご相談ください!!03-6261-2707受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

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相談解決事例 - Supporter's Skill -

今回のご相談 :J-STAGE公開までの道のりが不安!最初だけでもフォローが欲しい!!

先日、お客様に同行させて頂き、これからJ-STAGEへ搭載される方のための初回説明会へ伺ってまいりました。
弊社の営業担当はそれぞれ担当させて頂くお客様に同行し説明会も慣れたものなのですが、ここ何年かで説明会の内容も大きく変わりました。

以前はJ-STAGEセンター様と1対1もしくは2対1で行なっていた説明会も、現在では40前後の学協会様が一度に説明を受ける形になっております。対話形式から聴講形式に近い形になった事で、気軽に相談しづらいと感じられる学協会もおられるようです。

J-STAGEの搭載までには申請から搭載が決まった後にも、現状確認・搭載情報確認のためのヒアリングシートや、DOI付与の為の申請書、ONLINE ISSN登録申請書等の提出が必要になります。

これまで弊社営業担当がJ-STAGE公開までのご案内をさせて頂く中でも、お客様から書類作成について少なくとも一つか二つは疑問点や、どの項目を選ぶか等の検討についてご質問を頂きます。
J-STAGEセンター様もこういったご質問に対しては手厚くご対応されておられますが、もし申請書の記入や説明会への同行についてご希望の学協会様がおられましたら、ぜひ弊社営業担当までお声掛けください。疑問点への対応や、説明会への同行については、無料でご案内させて頂きます。

貴誌のJ-STAGE掲載も当社にご相談ください!!03-6261-2707受付時間 9:00-18:00 [ 土・日・祝日除く ]

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学術と共に歩んだ120年。レタープレス株式会社の歴史物語 No.13

全文XML制作

日本の電子ジャーナルはPDFで掲載するケースがほとんどだった。しかし、世界的には全文XMLという形式で論文をHTML化し掲載することが主流であることから、「J-STAGE」が世界標準に則ろうと全文XML形式への対応を進めていた。
実際、世界標準の全文XML形式で論文を掲載することは、他システムとの連携のしやすさや、紙で読むことが前提で制作したPDFにはない「引用文献リンク」や「図表の拡大表示」などの機能もフルで活用できることから「学術情報発信力強化」に大きな期待が持てた。

しかし電子ジャーナルを制作する印刷会社にとっては、論文を制作するフローの抜本的な改善や作業環境を整えるコスト、実際に作業するオペレーターの訓練が必要になる。全文XML制作導入の壁は、決して低くはなかった。
それでもレタープレスは新システム開発におけるパイロットプロジェクトに参加するなど、全文XMLの対応に協力を惜しまなかった。

達朗はいつかのオープンアクセスのセミナーを思い出していた。

「学びたいと思う人が学びやすい社会になる_。」
「学ばれ導き出された研究成果がいずれ社会に大きく貢献するかもしれない_。」

全文XML化することにより、学術研究成果の情報発信の役に立てる。オープンアクセスと同様に全文XML化に対しても、とても共感を覚えていた。
現場とは毎日のようにミーティングを行い、時には激しく意見をぶつけ合った。お互いに真剣である証拠だった。

― 2012 年 7 月 23日 ―

試行錯誤の上、レタープレスはついに新システム「J-STAGE3」において全文XMLデータ形式の搭載に成功した。
国際標準XMLでの論文の全文掲載は、日本で初のことだった_。

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新米 サポーターより - 編集後記 -

新人サポーター

今回は、DOAJについて情報をお届けいたしました。
先日、とある学会の事務局長の方とお話しをする機会があり、オープンアクセスの話のなかでもこのDOAJについて触れられていました。オープンアクセスにしたあと、メタデータの索引付けも今後ますます重要になってくることでしょう。

DOAJは特定の言語や地域に限定せず、さまざまなオープンアクセスジャーナルや記事を掲載しており、2017年3月現在では129の国と地域があるようです。学術刊行物に限らず、あらゆる分野で増え続けているデータですが、検索や索引付けの重要性がより高まるのだな、と思いました。
年度が変わるこの季節、私も身の回りを整理し、見やすく、探しやすくして、気持ちよく春を迎えたいなと思います。皆様もすてきな春を迎えられますよう。