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[Altmetrics特集号]
(2014年6月10日発行)

Altmetricsという言葉をご存知ですか?


Altmetrics(オルトメトリクス)とは

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現在、学術誌の影響度を測る指標としてImpact factorが一般的に知られていますが、違った側面から『学術論文記事』や『研究に関わるデータ群』などを客観的に評価しようとする活動として、『Altmetrics』が注目されています。

Altmetrics(オルトメトリクス)
とは「alternative(慣習[伝統]的方法をとらない,新しい)」+「metrics(測定法,評価指標)」の造語であり、WEB上でのソーシャルメディア(SNSやブログ)の反応から『学術論文記事』や『研究に関わるデータ群』などの影響度を測定しようとする手法や、このような測定手法を用いながら新しい研究の影響度(Impact)を測定する活動の総称です。

altmetrics

Altmetrics(オルトメトリクス)とは、WEB上でのソーシャルメディア(SNSやブログ)の反応から『学術論文記事』や『研究に関わるデータ群』などの影響度を測定しようとする手法や、測定手法を用いての新しい研究の影響度(Impact)を測定する活動の総称です。

このような考え方を基にする、代表的なサービスAltmetric(オルトメトリック)をご紹介いたします。

Altmetric(オルトメトリック)とは

altmetric_logo Altmetric(オルトメトリック)とはネイチャー・パブリッシング・グループが提供している、Altmetrics(オルトメトリクス)の考えを基にしたサービスであり、ソーシャルメディア上で論文記事や研究に関わるデータがどれだけ注目を集めたか(Twitterでのツイート、Facebook、Mendeley、blog等での引用)を図で可視化したり、得点(Altmetricスコアと呼ばれています)化して算出して、表示するWEBベースのサービスです。

Altmetric(オルトメトリック)スコアとは?

Altmetricスコアは「記事」や「書籍」もしくは「データセット」についてインターネット上での注目を測るうえでの定量的な指標として表示される数値であり、一般的には「Altmetricドーナッツ」と呼ばれるカラフルな紐を編み込んだようなドーナッツ状の中心にスコアが数値で表示され、その数値が大きいほど、様々なソーシャルメディアで多く引用、参照されているという意味となります。

Altmetric スコアの様々な表示例

ドーナッツの色は各ソーシャルメディアを表しております。どのソーシャルメディアで多く参照されたかという量によって、ドーナッツの輪の色の割合は変化してまいります。

altmetric donut / score

Altmetricスコアを表示しているサービス

論文検索Qross

アトラス社による国内外の論文の検索サイト。7つの主要な論文公開サイトを横断的に検索することができます。PubMedやJ-STAGEでの検索結果にはAltmetricの測定結果は表示されませんが、「論文検索Qross」での検索結果には、Altmetricスコアが表示することができます。

Scopus(スコーパス)

エルゼビア社による世界最大級の抄録・引用文献データベース。社会的影響度(Altmetric for Scopus)として、各記事に表示されます。

altmetric_browse 上記の他、Altmetricドーナッツを提供しているネイチャー・パブリッシング・グループWEBのサイトや、生物・医学関連を扱うBioMed CentralのWEBサイトでの検索結果からもAltmetricドーナッツ・スコアを見ることができます(「article metrics」のリンクがあり、別ページで表示されます)。

jj supporters searchレタープレス株式会社の検索サイト JxJ Supporters SearchでもAltmetricスコアが表示されます。 http://jjssearch.jp【近日公開予定】

Altmetricスコア算出について【Altmetricスコアの算出方法】

WEB上での下記のような注目の量と質がAltmetricスコアの数値に反映されます。

    • scoring注目の量:通常は、多くWEB上で話題に上るほどスコア(数値)も上がります。
    • 注目の質:例えば、新聞記事で取り上げられる方が、Facebookよりも得点が高い。研究者による注目の方が、Twitterのボット*(bot)よりも得点が高い。   *Twitterの機能を使って作られた機械による自動発言システム。

※詳しくは下記 参考資料【注目の量と質について】をご参照ください。

参考資料 【注目の量と質について】

下記のようなサイトにて対象の学術論文、書籍、データセットへリンクもしくは保存した場合、スコアの対象となります。

■算出対象サイト ソーシャルメディア

・フェイスブック
・Google+
・Pinterest(写真共有サイト)
・Reddit(ソーシャルブックマークサイト)
・Sina Weibo(いわゆる中国版ツイッター)
・PubPeer/Publons(クラウド査読サイト)
・LinkedIn
・ブログ(手動で収集している - 2014年現在 約3,700のブログが含まれています)
・Sites running Stack Exchange (Q&Aサイト)
・F1000でのレビュー(書評)
・YouTube...等
・主要なメディア(ニュース): 様々なニュースの記事を解析している(2014年5月現在800以上のサイトが対象。日本のサイトではJSTの「サイエンスポータル」や朝日新聞デジタル等)

 

■算出の方法 各関連ソースの重要性を反映するために、「重み付け」を行います。

重み付けの初期値(基本となる数値):

新聞記事 ブログQ&A形式のサイトTwitterGoogle+Facebook

8

5

2.5

1

2.5

0.25


例1:
ある記事が1回新聞記事に取り上げられ、3回ツイートされた場合 Altmetricスコアは

 Altmetric スコア = 8×1回+1×3回 = 11

例2:ブログとFacebookで1回ずつ取り上げられた場合 Altmetricスコアは

 Altmeric スコア = 5×1+0.25×1 = 5.25

※ただしスコアは切り上げで算出するため「6」と表示されます。
※特殊な場合、個々の言及について重み付けします。

例 :誰にも読まれないような地域欄の見出しでの言及と、ホーキング博士(またはオバマ大統領などフォロアーの多い人)からのツイートがある場合 …ソースの種類と同じ位、実在人物の詳細や記事についての掲載箇所も重要であるといえます。 言及の重み付けには、バラツキがあります。実際、多くのブログの投稿の重み付けは初期値の5ですが、その投稿(者)が強力な牽引力をもつ場合には9まで変化しています。同様に、大きな広がりをもつ新聞での言及のスコアは高いですが、他の記事が多く混在している場合はスコアが下がります。例えば、単純にプレスリリースを再掲しているサイトの重み付けは小さくなります。

※Altmetricスコアの留意点

(1)Altmetric スコアが低く表示される場合がある

記事を発刊した時期…2012 年よりも前の記事の場合、最近までサポートしていない可能性があります。
ブログ投稿…数週間分以上の古い投稿を数値に反映できない場合があります。
関連投稿のリンク先…Altmetric は記事等への直接リンクをフォローしているため、リンクをせずに「今週○○雑誌で発行された▲▲氏の記事」というテキスト情報だけを掲載した場合はカウントされません。また、記事に関する論説などへのリンクもカウントされません。

(2)分野が異なったものは直接比較できない たとえば「有名」な物理学の論文は、「平均的な」遺伝学の論文よりも、スコアがずっと低い可能性があります。

(3)対象記事の質の測定結果ではない Altmetric スコアは WEB 上での注目に基づいて算出しているため、その記事の WEB 上での反応等を示すためにランク付けすることについてはとても有用です。 ただ、数値はあくまでも注目(ソース)に基づいて得点化されたものであり、その記事自体の品質を語るものではありません。

 ※リンクされたSNS 等での議論では、品質を語っている可能性もあります。

(4)MendeleyやCiteULikeのデータの一部を用いていない MendeleyやCiteULikeからのダウンロード数・引用数・読者数は、スコア算出には用いていません。

(5)時間が経つにつれて変動する可能性もある ツイート投稿者によってツイートが削除された場合など、稀なケースでAltmetricスコアが変動する可能性があります。また、スコア算出について改善したり、ある言及についての重み付けを調整することもあります。

Altmetricsのメリットと懸念事項

Altmetricsのメリットは

merit どの記事が読まれ、話題にされ、保存され、勧められているかを見ることで、影響の微妙な差異がわかる。

データセット、ソフトウェア、ビデオ等、学術記事以外の影響度がわかる。

研究者以外に、実践者や臨床家、教育者や一般の人々等多様な集団に対する影響度がわかる。

AltmetricsはWEB上での反応を指標としているため、参照するまでの時間差が少なく、リアルタイムで学術論文記事などの影響度 (Impact)を測ることができる。

× 反面、懸念事項としては

×ソーシャルメディアが指標になるため、一般受けがしやすい記事に反応が偏る可能性がある。

× Altmetricsを測定するツール間で結果が異なる場合がある。

×ソーシャルメディアでの話題の数を増やすように、著者やグループで操作できる。

という点などに注意が必要です。

memoLP博士04Altmetrics」はWEB上でのソーシャルメディア等(SNSやブログ等)の反応から学術論文記事やデータセットなどの影響度(Impact)を計測するという考え方等の総称を示し、「Altmetric」のサービスは「Altmetrics」の考え方を基にしたWEBサービスとなります。「Altmetrics」と「Altmetric」は同一ではございません。


参考文献
林和弘 (2013) 「研究論文の影響度を測定する新しい動き- 論文単位で即時かつ多面的な測定を可能とするAltmetrics -」 『科学技術動向』(2013年3・4月号) . 科学技術政策研究所
Altmetric (参照日:2014.2.19)
altmetrics manifesuto(参照日:2014.2.19)
Plum Analytics(参照日 2014.5.1)
・論文検索 Qross(参照日 :2014.5.1)
Scopus(参照日 2014.5.1)