学術情報を発信するニュースレター J×J Supporters

「J×J supporters Newsletter」はレタープレス株式会社が発行する「学術情報」発信に関するNewsletterです。

[No.20]
(2018年12月26日発行)

J×J サポーターズ ニュースレター


シチズンサイエンス(Citizen Science)とは?- Academic Information -

No.20 J×Jサポーターズ近年、環境モニタリング、生物観察、天文学など、科学研究活動において、一般市民を巻き込んで世界中で活動する市民科学プロジェクト(Citizen Science)がますます増加してきています。今回は、この「市民科学」=シチズンサイエンスについてご紹介させていただきます。

シチズンサイエンス(市民科学)とは、Oxford English Dictionary の定義によると、広義には「科学研究への一般市民(市民)の参加」のことであり、

  • 地域限定の研究かグローバルの研究かにかかわらず、科学的研究に一般市民が関与していること
  • 専門家や科学者、研究機関の指導者との協力の下での研究している一般市民が行う科学的研究

と、定義されています。

日本では、バードウォッチングでの生態調査報告や、銀河の形を一般 市民に分類してもらうプロジェクトなど、科学への一般市民への参加活動が盛んになってきています。
現在、世界をはじめ多くの研究活動がオープンサイエンス、オープンデータの流れになってきていることを考えると、このシチズンサイエンスも更なる広まりが期待できるかもしれません。

(参考)
Developing concepts of scientific citizenship which foregrounds the necessity of opening up science and science policy processes to the public , http://www.opengeospatial.org/projects/groups/citizenscience(参照日:2018.11.22)
林和弘 (2015) 「オープンな情報流通が促進するシチズンサイエンス(市民科学)の可能性」 『科学技術動向』(2015年5・6月号) . 科学技術政策研究所

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セミナー参加でのお役立ち情報- Supporter's Activity -

2018年11月9日第3回 SPARC Japan セミナー2018「オープンアクセスへのロードマップ: The Road to OA2020」に参加してまいりました。

◆プログラム

講演1「オープンアクセスのためのOA2020ロードマップ」
講演2「購読モデルからオープンアクセスモデルへ: JUSTICEの取り組み」
講演3「日本におけるOAの推進を阻むもの: 一(いち)生命科学者より」
パネルディスカッション

◆オープンアクセス化の状況

OA2020に向けて、世界のOA化の状況や問題点、今後の課題などをお 話しいただき、日本での取り組みや、日本のある大学図書館での取り組みや、研究者目線でのOAについてお話ししていただきました。
ジャーナルの購読料が上がるなか、これまでの購読料モデルから、OAモデルに切り替えAPCを支払うほうが安価に出版できる、という情報も出ております。
ヨーロッパでは、大学が購読料とAPCを一括で払うことで、出版社に支払う料金を割引するなどしたオフセット契約がなされており、完全なOA化の過渡期になっています。
ドイツにおけるナショナルライセンス契約を目的とするプロジェクトDEAL(Projekt DEAL)のOA2020に向けた状況も紹介されました。
研究者からすると、(分野にもよりますが)9割以上の人が、APCのコストパフォーマンスについて考えているそうです。一口にAPCと言っても、ジャーナルによってその金額にはかなりの差があります。
研究者は、なるべく安いAPCでなるべく高いインパクトファクターを持つジャーナルに掲載したい、と計画するそうです。

世界でのOA化の状況、日本の取り組み、日本の大学図書館の取り組み、研究者の視点から、といった構成で、2020年に向けて、日本や日本の大学図書館がどのような道を歩むのかということを考える上で、 大変参考になる講演でした。

◆APCについての参考情報

APCについては、以前本ニュースレターで取り上げておりますので、こちらもぜひあわせてご覧ください。

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相談解決事例 - Supporter's Skill -

今回のご相談 :『J-STAGEの新たな活用法?!〜企業の技報J-STAGE登載について〜』

今回のSupporter's Skillのテーマは、学協会様にはおなじみのJ-STAGEについてです。ただ、ご案内の主旨はいつもと少しだけ違います 。今回は、企業様が発行される【研究報告・技報】のJ-STAGE登載についてのご提案です。
2015年11月末に実施された【搭載対象コンテンツの拡大】により、J-STAGEでは【査読のない論文誌、会議論文・要旨集、研究報告書・技術報告書等も登載対象】となりました。
弊社が考える、企業様が技報をJ-STAGEに登載するメリットは以下の3つが大きな要素となります。

【ブランディング】
  • 公的な論文ポータルサイトであるJ-STAGEで技報公開を行なう事で、会社の技術を社会へ還元する姿勢を示し、 顧客・社会に対しCSRをPRする。
  • J-STAGEへの公開で、論文にDOIを付与し、他誌との相互リンクを促すことで、研究者のモチベーションアップや、 社内への自社技術の周知につなげる。
【人材確保】
  • J-STAGEでの公開により、企業サイトのみの公開に比べ、より多くの研究者・学生からの検索流入が期待できます。
  • 採用サイトに、技報のJ-STAGE公開画面をリンクする事で、採用応募者の方への企業理解を促進し、企業様もより効率的に採用活動を行なうことが期待できます。
【経費節減・効率化】
  • 従来の自社サイトでの技報公開については、J-STAGEへのリンク設定のみで簡便化し、外注費用・人件費の最適 化が可能です。
  • 各所へ配布する印刷版については、J-STAGEデータを利 用した小ロットオンデマンド印刷対応をして頂く事で、 在庫・印刷コストについても最適化できます。

上記の様に企業様にとっても色々なメリットが想定されますが、学会様にとっては如何でしょうか。例えば、これまで企業研究 者の会員様が投稿された論文をJ-STAGEで公開される際、技報等の引用については、引用文献リンク等が付かないことも多くご ざいました。これが改善されることを考えると、学協会誌への投 稿誘発ひいては会員登録へも、より前向きなご案内が可能になるかと思います。学術コミュニティを横に広げ、皆様がお互いに よりよく研究活動・発信を行なえる環境作りに繋がれば幸いと思いながら、キーボードを打つ手を置かせて頂きます。

J-STAGE登載についてもご相談ください!!03-5817-8617受付時間 9:00-18:00 [ 土日祝日除く ]

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当社のSpecialist -Episode 5-

編集・事務サポート課 入江 正和

原稿通りに校正紙が作成されているか、また、それぞれの 学協会誌の体裁や論文の表記に不自然な点がないかを確認する校正チェックのスペシャリスト。社内の組版担当のオペレータが作成した校正紙をお客様にお届けする前にチェックを行っております。

【インタビュー】

校正作業を行う上でとくに注意していることは何ですか?
入稿された論文のデータは、いろいろなソフトやバージョンで作成されているため、それらを組版作成ソフトで処理する際に予期せぬところでエラーが発生している可能性もあります。せっかく執筆していただいた論文が原稿どおり正しく作成されているかについて細心の注意を払って確認しております。No.20 J×Jサポーターズまた、論文に写真や図、表を組み込む際にも、ヒューマンエラーで不都合が生じることも考えられますので、その点にも 細心の注意を払って確認作業を行うようにしています。

また、論文の体裁がそれぞれの学協会誌のスタイルや体裁の仕様に沿って組まれているかを確認します。弊社では創業から125年余りにわたって、学術論文の美しい組版にこだわりつづけてまいりました。
文字の半角・全角、スペースやインデントの統一など、多くの執筆者の皆様の原稿で構成されるそれぞれの雑誌が全体を通してきちんと共通した統一されたルールとスタイルで作成されているか確認しております。

このような作業を長年重ねてまいりましたが、お客様から弊社に発注するようになって 雑誌のレイアウトやスタイルが美しくなったとの評価を頂戴しております。今後とも、 各学協会誌のさらなるご発展や評価の向上に寄与できるように、私どもでできる最大限の努力をつづけてまいりたい と思っております。

新米サポーターより - 編集後記 -

新人サポーター
J×J Supportersニュースレターもついに20号を迎えることができました! 毎回ご覧いただきまして、心より感謝申し上げます。これからも、学協会の皆様に「なるほど!」や「そうだったんだ!」をお届けできるようなニュースレターを目指してまいりたいと思います。学術業界の最新の用語やホットワード、セミナー情報など も随時お届けいたします。また、「こういうことを知りたい」、「こういう特集があったら便利」などのご要望がありましたら、お気軽にご連絡ください。ニュースレター作成メンバーの励みにもなりますので、感想などもいただけると嬉しいです。あらためまして、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。